「応募が来ない。」
採用担当者であれば、一度は感じたことがある悩みではないでしょうか。求人票を書き直したり、募集条件を見直したり、求人媒体を変えたりと、応募を増やすために改善を進めている企業は少なくありません。
では、その改善が本当に効果につながったのかを確認できていますか?
例えば、「応募が来ない」という状況でも、
- 求める人物像が曖昧なのか
- 求人票で魅力を伝えきれていないのか
- 応募後の対応で辞退されているのか
原因は企業によって異なります。だからこそ、改善策を増やす前に、まずは採用活動のどこに課題があるのかを整理することが大切です。
この記事では、採用課題を整理する3つのステップを紹介します。
採用課題を整理するためのチェックリスト
採用活動では、「応募が来ない」「面接につながらない」「内定を辞退される」など、企業によってさまざまな課題があります。
同じ「採用がうまくいかない」という状況でも、課題によって見直すべきポイントは異なります。
まずは現在の採用状況を整理し、自社がどの段階でつまずいているのかを確認してみましょう。
| 現在の状況 | 最初に見直したいポイント |
| 求人を出しても応募が来ない | 採用ターゲット・求人票・採用条件 |
| 求人は見られているが応募がない | 仕事内容や採用条件、自社で働くメリットが伝わっているか |
| 応募はあるが求める人材と合わない | 採用ターゲットや応募条件が明確になっているか |
| 応募はあるが面接につながらない | 応募後の連絡や面接日程の調整が遅れていないか |
| 内定辞退や早期離職が多い | 求人票と実際の仕事内容に違いがないか |
課題が分かったら、そのポイントを改善して終わりではありません。求人媒体では閲覧数や応募率などを確認できますが、それらを見て終わりになってしまうケースもあります。
また、求人票の修正や媒体変更など、複数の改善を同時に進めると、どの施策が成果につながったのか判断しにくくなります。改善した結果を振り返りながら、一つずつ施策を進めることが重要です。
ここからは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。
採用課題を整理する3つのステップ
STEP① 「未経験歓迎」は一番採用しにくい
「できるだけ多くの人に応募してほしい。」そう考えるのは自然なことです。
「未経験歓迎」「経験不問」など、できるだけ応募の間口を広げようと考える企業も少なくありません。
しかし、幅広い人に向けた求人は、一見応募が集まりやすそうに見えて、実際には「自分に合う求人かどうか」が伝わりにくくなることがあります。
求職者は多くの求人を比較しているため、誰に向けた求人なのかが曖昧だと、自分に合っていると判断できず、応募を見送ってしまうこともあります。
そのため、まずは採用ターゲットを具体的にすることが大切です。採用ターゲットを設定するときは、現在活躍している社員に共通する経験や特徴を整理することが有効です。
例えば、「前職で営業の経験がある人が定着しやすい」「接客業出身者が活躍している」といった傾向があれば、その経験を求人票で伝えることで、「自分のことかもしれない」と感じてもらいやすくなります。
もちろん、ターゲットを明確にすると、応募対象はある程度絞られます。しかし、自分に合う求人だと感じてもらえれば、応募につながる可能性は高まります。採用ターゲットに正解はありません。
応募状況や入社後の定着状況を確認しながら、採用ターゲットが適切だったかを振り返り、自社で活躍しやすい人物像を少しずつ整理することがポイントです。
STEP② 求人票の主役は、会社ではありません
「求人票はきちんと作っている。」「会社の魅力も伝えている。」それでも応募が増えない。
そんなときは、一度立ち止まって考えてみてください。求人票を見直すときは、会社が伝えたいことではなく、求職者が知りたいことに答えられているかという視点が重要です。
求職者が求人票で重視するポイントは、人によって異なります。家から通いやすいことを優先する人もいれば、給与や休日を重視する人、仕事内容や職場の雰囲気を重視する人もいます。
ネットの記事などで「仕事内容を具体的に書きましょう」「会社の魅力を伝えましょう」といったアドバイスを目にすることは多いと思います。
しかし、こうした一般的な改善方法だけでは、自社の求職者に響く求人票になるとは限りません。求職者が本当に知りたい情報は、自社へ入社した人に聞くことで見えてきます。
例えば、
- なぜ数ある会社の中から自社を選んだのか
- 他社と比較して決め手になったことは何だったのか
- 求人票を見て応募しようと思った理由は何だったのか
- 入社前に知りたかった情報は何だったのか
こうした内容を聞くことで、企業側では当たり前だと思っていたことが応募の決め手になっていたり、求人票では十分に伝えられていなかった魅力に気付くことがあります。
また、同じ情報でも伝え方を少し工夫するだけで、求職者が受ける印象は変わります。
例えば、「年間休日120日」より「完全週休2日制(土日祝休み)」、「年収○○万円」より「月給○○万円」と記載するなど、同じ内容でも伝わりやすい表現を選ぶことも効果的です。
どのような内容や表現が応募につながるかは、職種や採用ターゲットによって異なります応募状況を確認しながら少しずつ改善を重ねることで、自社に合った求人票に近づいていきます。
大切なのは、会社が伝えたいことを並べることではなく、実際に応募した人や入社した人の声をもとに、求職者が知りたい情報を伝えることです。まずは、直近で入社した社員へ「なぜ当社を選んだのか」「何が応募の決め手だったのか」を聞くことから始めましょう。
STEP③ 応募者を待たせすぎていませんか?
採用では、企業が応募者を選考します。しかし同時に、応募者も企業を選んでいます。
そのため、企業は「選ぶ側」であると同時に、「選ばれる側」でもあります。
「応募は来るようになったのに、面接まで進まない。」「面接はできたけれど、辞退されてしまう。」
そんな場合は、求人票ではなく、応募後の対応に原因があるかもしれません。応募者の多くは、複数の企業へ同時に応募しています。
そのため、企業からの連絡スピードが、その後の選考や意思決定に影響することもあります。
採用担当者を対象とした調査では、約7割の企業が「応募当日~翌日までに面接日程を確定させることが理想」と考えている一方、実際には約8割の企業が日程調整に1~5日かかっているという結果が出ています。
つまり、早く対応したいと考えていても、実際には対応できていない企業が多いということです。
【採用担当者必見】面接日程調整、理想は「当日〜翌日」でも実態は1〜5日 | 株式会社アイシスのプレスリリース
例えば、応募した当日に他社から面接日程の案内が届き、自社からの連絡は数日後だった場合、給与や仕事内容に大きな差がなければ、対応スピードが応募者の意思決定に影響することもあります。
中小企業では、採用担当者が総務や人事などの業務を兼任しているケースも多く、迅速な対応が難しいこともあるでしょう。しかし、応募者から見ると、その事情は分かりません。
「良い人材だったのに辞退されてしまった。」その原因は、他社よりも対応が遅かったことも考えられます。
まずは、次のような点を確認してみることが大切です。
- 応募後、どれくらいで連絡しているか
- 面接候補日をすぐに案内できる状態になっているか
- 面接後の結果連絡に時間がかかっていないか
応募者への連絡や選考状況を管理できる仕組みを整えることで、応募者を待たせる時間を減らし、辞退の防止につながることがあります。
なお、当社では営業時間内にいただいた応募やお問い合わせについては、平均1~2時間以内を目安に初回対応を行っています。こうした応募者をお待たせしない体制づくりを通じて、年間約100名以上の採用を行っています。採用活動では、求人票だけでなく、応募後の対応も、応募者に選ばれる理由の一つになります。
応募者が他社と比較しながら選考を進めていることを前提に、自社の採用フローも一度見直してみることが重要です。
一気に変えるより、「一つずつ変える」方が原因を見つけやすい
採用がうまくいかないと、「求人票も直そう」「写真も変えよう」「対象者条件を広げてみよう」
このように、思いつく改善を一度に進めたくなることがあります。
もちろん、どれも採用活動では重要な改善ポイントです。ただ、一度に変えてしまうと、何が効果につながったのか分からなくなってしまいます。
例えば、求人票を書き直すのと同時に、新しい求人媒体へ掲載し、応募条件も変更したとします。
その結果、応募が増えたとしても、「求人票が良かったのか」「媒体が合っていたのか」「条件を変えたからなのか」判断できなくなってしまいます。
だからこそ、改善は一つずつ進めることが大切です。まずは一番課題が大きいと考えられる部分を見直す。その結果を確認してから、次の改善を考える。
一見遠回りに見えても、原因を特定できるため、結果として改善への近道になります。
採用がうまくいかない原因を整理しませんか?
求人票の書き直し、募集条件の見直し、新しい採用手法を検討したり、どれも採用活動ではよく行われる改善です。
でも、その前に一度立ち止まって考えてみたいことがあります。
「今、自社の採用活動はどこでつまずいているのか」を整理してみてください。
応募が集まらないことなのか。応募はあるけど求める人材に出会えないことなのか。それとも、応募者への対応や選考の進め方なのか。
原因が分かれば、次にやるべきことも自然と見えてきます。
それでも採用が思うように進まないと、新しい施策を探したくなるものです。
しかし、新しいことを始める前に、今行っている採用活動をより良くできる点がないかを見直すことも大切です。
採用ターゲットや求人内容、応募者対応などを改善するだけで、結果が変わることもあります。
当社では、求人媒体のご提案だけではなく、採用ターゲットや求人内容、採用活動全体を整理したうえで、企業ごとに優先して見直すべきポイントをご提案しています。
「まずは自社の採用課題を整理したい」そんな段階でも、お気軽にご相談ください。

